サバ釣り

鹿ノ瀬で大サバが釣れているというので行ってみた。前夜の深酒が災いして出航が遅れ、鹿ノ瀬に着いたのは午前十一時。三十隻ほどが群がり釣っていた。客を積んだ遊魚船が多かった。流し釣りは船を時々潮上へ戻さねばならぬ、

「あげてぇ〜」の遊魚船マイク声。

「ハイ、やってぇ〜」の声。

と、向かいに居た小型プレジャーボートが一本あげた。拍手を送るとタモから出し見せた。「でっかいサバや」とのこと。昼一時過ぎまでやってサバを見たのは実はこれだけ。他船の様子にも終始気をつけていたが、他に竿の立つのをみなかった。サバ一本の清涼剤？私はボウズのまま竿を納め帰路についた。

寄港後聞いたところによると、早朝六時から鹿ノ瀬へ出た友艇は、小一時間の間に大サバ十数本を釣っていた。この日、マリーナで釣り大会があって対象魚はキス・カレイ・アイナメ。大会参加中の友艇は、早々にサバからキスへ転身し、釣り場を換えたとか。「サバやったら、なんぼでも釣れたのに」とのこと。大会後のパーテイーに、このサバの刺し身が出された。

席上友艇にサバ釣りの教えを請うと、「場所は、船が百五十隻ほど群がっているからすぐわかります。餌は冷凍イカナゴがよく釣れたみたい」と言う。

私は釣り場へ着くのが遅すぎたようだ。

◇ ◇ ◇

ボウズが腰に来た。サバ釣りでボウズをくらった翌朝からギックリ腰になった。朝食を済ませてテーブルのイスから立ち上がろうとした途端にギクッとなった。手ぶらで急に立ち上がったのが原因だと思う。足首のネンザ原因に空足を踏むというのがあるが、今回のギックリは空腰を伸ばしたのが原因だ。もし、手に竿でも掴んでおればギックリにはならなかったと思うが手ぶらの空腰がこたえた。遠因は前日のボーズである。普段は船縁に置竿をしてビールでも飲みながらのんびり当たりを待つ。だが、あの日は、ボウズ嫌さに終始船に仁王立ちし、波に揺られながら竿を上げ下げした。

整骨院に通っている。まだ快癒の兆しはない。担当整骨師がしばらく風呂に入るなと言う。立ち居が辛くてかなわぬ。

「立派なギックリ腰ですねぇ」と整骨師。

「はぁ、おかげさんで」と私。

「どんなお仕事ですか」と整骨師。

「事務ですけど腰を使います。なにせよく揺れますから」と私。

その後、大病院の整形外科も受診。ルーチン診察後、担当医はじゃけんにも、「ファミコン・パソコン・マージャン・釣りは、腰に悪い」と言う。

泣きっ面に蜂！　

ボーズがギックリ、

「大丈夫・大丈夫その内に楽になる」と担当医。

ほんまかいな？